「ねぇ部長~、今日も昼休み空いてるでしょ?あの会議室、鍵かけておいたから~」
瑠花(29)が上司の机に肘をつきながら囁く。化粧の濃い目元が妖しく光る。部長は書類の山に埋もれながらも、瑠花の吐息に肩を震わせた。
「ま、またか…今日は書類が…」
「あら、奥さんのSNSで保育園の送迎大変そうだったわね~?私が『偶然』スクショしちゃったんだけど~」
瑠花のスマホ画面に映ったのは、部長夫人が「夫はいつも帰りが遅くて…」と愚痴る投稿。部長の喉がゴクリと動くのを確認して、瑠花は舌で歯茎を舐めた。
会議室のドアが閉まる音と同時に、瑠花は部長のネクタイをグイッと引っ張る。
「ほら、早く脱ぎなさいよ。30分しかないんだから」
「くっ…瑠花さん、本当にこれが最後だぞ…」
「はいはい、前回もそう言ってたじゃん?」
瑠花の手が部長のベルトを外す。革製のベルトが床に落ちる音に、自分の鼓動が早くなるのを感じる。冷房の効いた室内なのに、みぞおちの辺りがじんわり熱い。
「今日は特別なおもちゃ持ってきたの~」
バッグから取り出したのは真っ黒なバイブ。リモコン付きで、先端が不気味に震えている。部長が後ずさりするのを、瑠花は楽しむように見下ろす。
「そんな逃げてどうするの?ほら、パンツ脱いでよ」
「待て、こんなもの…!」
「あ~、もしかして初めて?じゃあ私が優しく入れてあげる」
瑠花がしゃがみ込み、部長の太ももに爪を立てながらパンツをずり下げる。勃起した肉棒の根本に、黒いバイブを当てた。
「いや…!出せ…!」
「うわ~、部長のちんこ、震えてる~」
リモコンのボタンを押すと、バイブが唸りを上げて締め付け始める。部長の足がガクガク震え、汗がシャツに滲んでいく。瑠花はその様子をスマホで撮影しながら、自分の股間を軽く擦る。
「あ…あっ…!」
「声出しちゃダメよ?廊下に聞こえたらどうするの?」
瑠花が自分でも驚くほど熱くなっている。部長が苦悶の表情で天井を見つめる様子に、妙な達成感が込み上げる。
「ねえ部長、私のことどう思ってる?」
「は…?今更何を…」
「ほら、答えてよ~。このままずっと記録しちゃうよ?」
瑠花がリモコンの強さをMAXにすると、部長の腰が跳ね上がった。
「き…気持ちいい…!やめろ…!」
「嘘~、気持ちいいんでしょ?だって先端から汁が出てるもん」
ふと鏡に映った自分を見て、瑠花はハッとする。メイクは崩れ、目元がどこか寂しげだ。部長の喘ぎ声が耳に染みつき、急に胸が苦しくなった。
(なんで私、こんなことしてるんだろう…)
「もう…やめてくれ…離婚したばかりなんだ…」
「…え?」
部長の言葉に、瑠花の手が止まる。リモコンが床に転がり、バイブの音だけが不気味に響く。
「な…なんで言わないのよ…」
「言えるかよ…お前みたいのに弱み握られて…」
瑠花は急に目の前の男が小さく見えた。今まで遊んでいた「おもちゃ」が、ただのボロボロの中年男にしか見えない。
「…ごめん」
自分でも意外な言葉が零れる。部長は呆然とした表情で瑠花を見上げ、やがて静かに笑った。
「お前もそろそろまともな男探せよ。29だろ?」
ドアを開ける音。部長がズボンを穿きながら出ていく背中に、瑠花は化粧ポーチを投げつけた。
「うるさいわよ!…バカ…」
涙が頬を伝う。床に転がったバイブがまだ微かに震えているのが、妙に情けなかった。
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